2026年2月 南三陸漁業支援ボランティアツアー③

ツアー3日目。
早朝、目が覚めたときは穏やかな天気と思ったのもつかの間、みるみるうちに風が強まってきて、あっという間にものすごい強風となりました。昨日の夕方、漁師さん達に「明日の作業は何をするのでしょうか?」と尋ねたところ、「明日は風が強くて船が出せない。メカブ削ぎは難しいなぁ。」とのこと。あぁ、このことを仰っていたのか、と実感しました。参加者さんはメカブ削ぎを楽しみにしていたのでしょうが、人間の力では自然に抗うことはできません。

朝食をしっかり食べて、本日の作業に備えます。

何と、毛蟹の半身を使った蟹汁!長年ここで朝食を食べていますが、初めてです!(いつものツアーであれば賑やかとなる朝食会場も、皆さん無言になって蟹をつついており静寂に包まれました 笑)

「天然の岩海苔」を使用したお父さん自家製の佃煮。これまたさりげなく朝食に添えられていましたが、大変貴重な逸品です。南三陸町ではワカメ以外にもヒジキやフノリといった天然の海藻が採れます。ただし乱獲を防ぐため、採ることが出来る日は厳格に決められています。これを現地では「開口日(かいこうび)」と呼び、開口する前々日~前日に漁師さんへ通達され、開口する当日の僅か数時間のみ採ることが許されます。実は昨日がその開口日だったとのこと、この岩海苔はお父さんの知人が採ってきたものをお裾分けいただいたそうです。お父さんの人徳があればこそ、なせる日常の風景ですね。
前日の夕方から数時間かけてじっくり煮込み、今朝の朝食にそっと添えられていました(参加者Kくんは煮詰める作業をお手伝いしたそうです。)毛蟹といい岩海苔といい、お父さんの心意気とおもてなしには感謝です。
■高倉荘のInstagramを是非フォロー願います!
/https://www.instagram.com/takakurasou_/
※後列が高倉荘の皆さんです(2025年12月Xmasツアーより)

3日間お世話になった高倉荘を出発し、強風のなか寄木地区の作業小屋へ向かいます。




二箇所の作業小屋で、昨日とは異なるメンバー構成により作業をお手伝いします。ひとえにワカメ養殖といっても、漁師さんひとり一人、経験もノウハウも異なります。また同じ南三陸町であっても、養殖する場所によって出来も様々。ベテランのリピーターさんともなると、塩蔵ワカメの形や食感によって「○○さんのワカメだね」と分かる強者も・・・素人の私にはさっぱり分かりませんが(笑)少なくとも、ここのワカメを食べてしまうと、今まで食べていたワカメは一体何だったのだろう?と強く感じることでしょう。


そして、例によってお茶っこタイム。ここで漁師さんから特別なご褒美がありました。

いつも私達の活動を受け入れてくださる漁師H.Kさんが急な体調不良でお休みとなり、代わりに息子さん(画像右側)が作業の御礼として「蒸し牡蛎」を振る舞ってくださいました。南三陸町は日本でも有数の牡蛎の産地。獲れたての牡蛎をじっくり蒸し上げることでクリーミーな味わいが凝縮され、その食感は絶品。こんな贅沢なお茶っこタイム、都会では味わえない貴重な時間です。


お昼近くになり、名残惜しいですがそろそろ作業終了の時間となりました。ボランティア活動の鉄則として「時間厳守」があります。たとえどんなに作業が残っていようとも、団体行動におけるスケジュール管理は最重要項目です。もっと作業したい、少しでも役に立ちたい、はやる気持ちをグッとこらえ、後片付けと出立の準備に取りかかります。
画像にはありませんが、出立前に塩蔵ワカメの即席販売会を行います。これもワカメ収穫時期ならでは特権ですね。沢山購入すれば漁師さんの収益に貢献できるのは元より、直接購入することで「自分の手が関わったワカメ」を味わうことが出来る。これもツアーならではの貴重な体験であり、帰宅したあと「このワカメ、私が手伝ったんだ!」と周囲の方々に話すことで、南三陸町での体験が更に広がっていくのです。

最後に集合写真。皆さん、いい笑顔ですね!
今回お休みになったH.KさんのピンチヒッターとしてH.Yさんが一緒に写ってくれました。私達が毎回ツアーにおいて大勢の皆さんを引率し、安全に、安心して活動できるのも、こうして現地の皆さんが受け入れてくださるからこそ、実現できるものなのです。本当にありがとうございます。
そして、別れ際には「また来るね!」「待ってるよ!」の言葉。
ただ、これには続きがあります。
私達の活動方針は「また来たよ~」「まってたよ!」です。
僅か3日間ですが、日常にはない「濃密な時間」を過ごしたことと存じます。ほんの少しでも構わない、「南三陸町へまた来たい」「現地の皆さんとまた会いたい」と感じていただければ、私達にとって何よりの喜びです。そして皆さんが「また来たよ」と言える機会を作る、私達は出来る限りこのツアーを続けていきたいと考えております。
お昼に南三陸町を出発し、三陸道~仙台東部道路~常磐道と順調に南下。途中の事故渋滞も最低限で済み、間もなく東京に到着するという頃合いに、参加者の皆さんから3日間の感想をコメントしていただきます。
まずは初参加者の皆さんから。
Aさん「初めて南三陸や震災遺構を訪れ、まだまだ復興途上であることを実感した。またボランティア活動自体も初めて参加したが、皆さんの話を聞くうちに私もまたボランティアに参加してみようと思った。」
Dさん「東京にいると何事もなく過ごしてきた15年であったが、現地のことを知ることで心にズッシリとくるものがあった。」
Mさん(男性)「東北地方は一度自分の目で見たいと思っていた。震災にせよコロナ禍にせよ、何れどこかで災害が発生する可能性は高いが、その時自身はどんなことが出来るのだろうと考えさせられた。」
Iさん「嵩上げされた土地の下に町があったんだと思うと切なく感じた。15年前に大変な思いをされた現地の皆さんが優しく接してくれて、貴重な時間を過ごすことができた。」
続いてリピーターさん。
Kさん「前回参加した際、卒業後の進路について現地の皆さんが心配してくれた。今回進路が決まったことを直接伝えるためツアーに参加した。皆さんに祝っていただいたことが嬉しかった。」
Tさん(男性)「災害復旧のボランティア活動もそうだが、自分の好きなこと、やっていて楽しいこと、周囲の人の支援になること、これらはボランティア活動に変えて良いと思う。」
Tさん(女性)「ボランティアでは見ず知らずの方が集まって作業するのだが、誰が何をやるべきか自然とまとまりが出来る。人との繋がりが大事であることを実感した。」
皆さんからの暖かいお言葉、本当にありがとうございます。
そして夕刻。無事東京駅八重洲口に到着。3日間、安全運転いただいたバス運転手、藪下さんに改めて感謝。慣れない作業と長時間の移動でお疲れかと存じますが、皆さんどうぞご自愛くださいませ。そしてまた私達のツアー、あるいは南三陸町でお会いできることを楽しみにしております。
ありがとうございました。
次回ツアーは2026年3月20~22日です。
2026年2月


