2026年5月 南三陸漁業支援ボランティアツアー④

2日目の未明、夜中でも気づくくらいの強い雨が降ってきて、3日目の朝はぐずついた天気となりました。高倉荘のお父さんが仰るとおり、天候が目まぐるしく変わる3日間となりました。

朝食前にブリーフィングを行い、しっかり朝食を取って(画像にはありませんが高級食材「マツモ」が出ておりました)3日間お世話になった高倉荘を出発・・・の直前、お父さん特製の「乾燥メカブ」について説明を伺いました。メカブを細かく切り刻んだ後、天日で乾燥させたもの。そのままでもおつまみとして食べられますが、お湯にサッと入れて吸い物にするも良し、卵焼きや納豆などに混ぜて食べても良し、保存も効くため大変使い勝手の良い乾物なのです。

3日目はH.Kさんの作業場に全員集合、本日はI大工さんお手製の「ヒジキ」も袋詰めする作業に取りかかります。

ヒジキは岩場に育つ海藻で、国内産はほぼ100%天然です。乱獲を抑制するため、漁協から決められた日(開口日)しか収穫できません。ヒジキは収穫してきた後、鉄製の大釜によって長時間煮詰めます。それを天日干ししたものが画像の状態。ヒジキの袋詰めを行う前に、まず「ゴミ」や「焦げ」などの除去作業が必要となります。そこから収穫時に混ざったゴミ、煮詰めた際の焦げ、固まりや変色した部分などを選り分ける作業。全員がヒジキと「にらめっこ」して、ピンセットなどを用いて選定作業を行います。ワカメと同様に手作業で行う必要があり、ワカメ以上に手間を要することもあって、ヒジキを扱う漁師さんが年々減っているとも聞かれます。I大工さんと漁師H.Kさんの息子さんが毎年ヒジキを手がけており、私達も人海戦術で作業に取りかかります。

細かいものを見過ぎたので、少々休憩(通称「お茶っこタイム」)

ヒジキの傍らでは、昨日の続きで塩蔵ワカメの袋詰めを同時に作業。

ヒジキの袋詰めも順調に進み、I大工さん特製「鉄釜ひじき」の完成です!

本日の作業はこれにて終了。着替えと出発の身支度をして、最後は自分達が作成に関わったワカメとヒジキの即売会。ワカメ収穫時期のツアーだけに実施できる貴重な機会だけに参加者さんには大変好評で、常連リピーターのなかには「卸問屋かよっ!?」と思われるほど大量に購入していただけます。毎年ツアーを重ねる毎にワカメの評判が口コミで広がり続け、なかには「もう他の地域のワカメは食べられない」という声も実際にある程です。震災当初は「もう漁師を続けられない」という言葉も聞かれたほど絶望的な状況から這い上がり、こうして南三陸産ワカメが食卓に上がるまでの苦労を、私達がこのツアーを続ける限り一人でも多くの皆さんへ語り継いでいきたいと考えております。

最後に記念撮影。普段はシャイで写りたがらないI大工さんも一緒です!(右上)

寄木地区を出発、さんさん商店街に立寄ることにはすっかり良い天気となりました。現地解散の参加者さんと分かれ、東京へと向かいます。しかし残念なことに、帰りもまたもや暴風となってしまいました・・・行きも帰りも悪条件となり、バスを運転する藪下さんには大変な苦労を掛けることになりました。安全な運行に細心の配慮をしながら、東京~南三陸を長時間運転いただいた藪下さんに、参加者およびスタッフ全員より感謝の言葉を述べさせていただきました。

一部ではありますが、参加者さんの感想を掲載いたします。

Iさん「防潮堤や水門を見学したが、これが使われる日が来ないことを祈りたい。」

Aさん「久々に南三陸町を訪れることが出来て嬉しかった。是非来年の大型連休時にも参加したい。」

TMさん「ツアーに参加しなければこのような活動を知ることはなかった。漁師さん達には過去に辛い思いをしながらも、明るく楽しく接してくださって有り難かった。参加する動機は不純?だったが、新たな一歩を踏み出すことが出来た。」

Fさん「ツアーには何回も参加しているが、今まで体験したことのない活動があり、毎回気づきがある。」

TSさん「自身で体験してみないと分からないことが沢山あった。出来ることを気張らずに行うことが必要だと感じた。」

Hさん「漁師さんから、もし水門を超えるほどの津波が来てしまった場合、引き波が戻ることなく町が水浸しになってしまうと聞いた。このような考えには到底及ばず、新たな気づきとなった。」

Uさん「復興への歩みが止まることなく、想いが引き継がれていくことを願いたい。」

Aさん「笑い声の絶えない楽しい活動となった。一方で、15年経っても何も変わっていない地域があった。もし自分の住む地域が災害に襲われた際、復興とはどういう形で行われ、自分がどのように関わっていくのか、常に考えていく必要がある。」

今回のツアーでは、福島沿岸の視察ルートや炊き出し体験など新たな試みを実施してきました。私達がこのボランティアツアーを継続していくうえで「変えていくもの」「変えてはならないもの」があると思います。年月の経過とともに、現地の状況も、人々も、その考え方も、多様かつ急激に変化を遂げていくことでしょう。そのようななかでも、私達が「寄り添う、寄り添い続ける」想いを変えることはありません。皆さんが「このツアーに参加して良かった」と感じてもらえるよう、様々な企画を考えるとともに、活動が1回でも多く実施できるよう努めていきたいと思います。

引き続き皆さんのご支援を賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。

次回ツアーは7月の三連休を予定、また皆さんの笑顔に出会えることを楽しみにしております。

ありがとうございました。

おまけ

さんさん商店街にて「志津川タコの唐揚げ」を頬張る食いしん坊なスタッフ2名 笑

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