2026年5月 南三陸漁業支援ボランティアツアー②

昨日の暴風が嘘のように、2日目は穏やかな朝を迎えました。

海を生業とする漁師さんにとって天気の変化は命に関わることであり、天候を読む力は並外れています。高倉荘のお父さんいわく、5月は寒暖の差が激しく天気も目まぐるしく変化し、昨日のような暴風も時々起こるとのこと。メイストームという言葉は聞いたことはありますが、現役の漁師でもあるお父さんの言葉には説得力がありますね。

朝食前に本日の活動に関するブリーフィング。慣れない作業に関わることとなるボランティア活動において、注意事項の伝達は欠かせない作業です。朝食をしっかりとって、いざ高倉荘を出発。本日~明日の活動場所である南三陸町歌津の寄木地区へと向かいます。

南三陸町における大型連休はワカメ収穫作業の終盤戦。以前はこの時期でもワカメ収穫作業が出来ていましたが、地球温暖化の影響なのか、海水温が上昇したことでワカメの生育が早まってしまい、大型連休には収穫が終わってしまっています。一昨年~昨年とワカメ養殖の不漁が続いていましたが、今シーズンは比較的ワカメの生育が良好とのこと。市場の買い取り価格も高値がついており、漁師さん達の顔も安堵に包まれている様子でした。

一部の漁場ではメカブの収穫が続いているほどワカメの生育は良好なのですが、当日は全ての港でメカブの収穫ゼロ。実は漁業の世界にも「働き方改革」があって、メカブの「加工業者」が休みになったそうです。メカブは水揚げした後、直ぐにメカブ削ぎして、漁協などの業者さんが引き取り、加工業者へ移送してその日のうちに加工作業を行うとのこと。よって漁師さんはメカブを収穫したくても出来ない・・・こんなところにも時代の流れがありますね。

南三陸町歌津の寄木地区にある漁師H.Kさんの作業場に到着すると、一面に巨大な網が置かれていました。これは「イサダ漁」に使われれた網を片付ける作業とのこと。イサダとは正式名はツノナシオキアミと呼ばれ、養殖魚の餌や機能性食品の原料などに利用されます。ワカメ同様に近年は不漁が続いていましたが、今シーズンは比較的順調だったと伺いました。ワカメ漁と同様、南三陸に春を告げる風物詩です。

さて作業場で漁師さんと合流して、本日の作業内容を確認。ところで・・・肝心の「炊き出し体験」は??

ご安心ください。いつもお世話になっている漁師H.Kさんの作業場には、炊き出し用の「大釜」と「竈(かまど)」が用意されていました。そして今回のイベント企画を担当するIさん(本業は大工なので「I大工さん」と呼びます)も、自宅から「小釜×2個」と「竈」を持ってきてくださいました。これらを用いて、昼食に向けて炊き出しを準備していくことになりました。

現地集合となった参加者Tさん(ベテラン参加者かつワカメ等に大変な博識ゆえ、私達は「T先生」と呼びます)が合流し、二班に分かれて作業することとなりました。一班は漁師H.Yさんの作業場にてワカメ収穫作業の後片付けをお手伝い。もう一班は、炊き出し体験の準備。釜や竈の設置、火起こし、調理道具の準備、会場設営など。作業の合間にはI大工さんとスタッフは町内のスーパーにて食材と食器類の買い出し。メニューは大釜で「豚汁」を作り、小釜で「ご飯」を炊くことに決定しました。

その日その場所で、何が必要かを考え、その場で使えるものを利用し、足りないものを洗い出す、人数や時間を考慮して行動を計画、素早く実行に移す。マニュアルはなし、事前の段取りもなし、班分け・活動計画・行動開始まで、ものの20~30分。様々な場面で「臨機応変」に行動することは良くあることですが、ことボランティア活動においては高度な内容が求められます。その日その場所の状況は現地に向かわないと分からないことであり、状況を判断し、役割を分担、作業内容を的確に指示、各々が役割を果たし、助け合い、連携し、目的を果たすべく行動することが必要となります。

炊き出し準備班とは別に、漁師H.Yさんの作業場ではワカメ収穫に使用した道具の洗浄作業に取りかかります。カラフルな繋ぎを身にまとい、篭や網などを洗っていきます。本来、漁師さんの家族や親戚のみでコツコツと行う作業も、これだけの人数で作業すればあっという間に終了します。一つひとつの道具を丁寧に手入れし、来シーズンの養殖に向けた準備を整える必要があります。ワカメ養殖は収穫するだけが仕事ではなく、こうした一年の巡りのなかで様々な工程を経て行われるものなのです。

炊き出し開始前、ひと仕事を終えた戦士達の帰還。皆さん格好いいですね!!

その間、I大工さんとスタッフで食材と食器類を調達してきました。事前の打ち合わせ

さあ、いざ「炊き出し」の開始です!!

初の試みであり、当日の状況次第とあって、スタッフとしては開始するまで不安いっぱいでしたが、いざ始まるとそれは杞憂に終わりました。結論から言うと、参加者の皆さんは指示された通りに素早く行動に移り、互いが互いに連携して動き、炊き出し体験の準備はあっという間に完了しました。

ここでI大工さんよりサプライズ!スタッフにもシークレットであった食材「アンコウ」が登場!!これでアンコウ鍋を作るとのこと。なるほど、だからI大工さんは小釜を「2個」持ってきたのですね 笑

いくつも生えそろった鋭い歯。そしてアンコウの特徴でもある「提灯」

「俺はアンコウなんてさばいたことねぇよぉ~」

そんな軽口をたたきながら、I大工さんと漁師H.Kさんにより華麗にさばかれていくアンコウ。解体ショーに参加者もスタッフも興味津々、思わず作業の手が止まりスマホを傾けてしまいます 笑

ちょうど12時ピッタリに全ての作業が終了し、いざ食事と参りましょう!

ご飯、豚汁、アンコウ鍋、どれも大変美味しく出来上がり、皆さんの笑顔が弾けます。一番心配されたご飯ですが、参加者の一人に経験者がいらっしゃって、大変美味しく炊き上がりました。残念ながら炊き上がった瞬間を撮影し忘れてしまい、お焦げだけとなってしまいました・・・。「あん肝」がたっぷり投入されたアンコウ鍋の汁を、炊きたてのご飯にかけて食べる「あん肝飯(画像右)」は贅沢極まりない美味でした。皆さん協力して出来上がった「炊き出し」の味、楽しんでいただけたのではないでしょうか。なお余った分については、都合により参加されなかった漁師H.Yさんのご自宅へお届けしました(※翌日「美味しかったよ」との言葉を頂戴しました)

アンコウのサプライズはご愛敬でしたが、本来の主旨である「炊き出し体験」としては企画として成功だったと感じています。来年以降のツアーでも機会を設けてみたいですね。

★Instaramでアンコウ解体ショーの動画をご覧いただけます。

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お腹一杯になったところで、後片付けして午後の作業に移ります。

2日目partⅡにつづく。

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