今回の新入社員研修ボランティア・ツアーに参加された社員さんより

被災地への想いを込めた所感※を頂戴しましたのでこちらでご報告致します。

※所感(しょかん)・・・意味や解説。事に触れて心に感じた事柄。感想。 

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東日本大震災復興支援研修 所感報告

川崎汽船株式会社 秋葉洋大

 

【支援活動を通して】

南三陸町に入った時点では大きな瓦礫などが片付いており、

表面上は復旧作業が進んでいるように見受けられました。

しかし実際に支援活動を行なうと、まだまだ人の手が足りていないことを実感致しました。

特に個々の民家レベルになると農業も行なえないような状況にあり、

生活を維持で出来ない状態にあると気付きました。

今まではマクロな視点で被災地を捉えておりましたが、

実際に被災地を訪れボランティアを行なうことで、

よりミクロな視点で被災地を捉えることが出来ました。

支援活動では、農業支援・瓦礫撤去を行ないました。

特に瓦礫撤去では半日掛けても林のほんの一角しか撤去を行なえず、

復興までの道のりがどれほど長いのかを痛感致しました。

被災地の現状を忘れられてしまうことがどれほど復興の妨げになるのか、

被災した方々が仰っていた意味がわかった気がしました。

 

【被災した方々からのお話を聞いて】

震災から時間が経過し、メディアによる報道が減っていることから、

勝手ながら復興が進んでいるものだと考えておりました。

しかし実情は全く異なり、時が経つにつれ被災した方々の中での格差など

様々な問題が表面化していることに驚きを感じました。

また猪又さんより伺った、高台での公営住宅建設のお話にはただ言葉を失うばかりでした。

住宅が流された方々の為には、国のお金を使い公営住宅を建てる必要があるが、

実際に住まれるのはお年寄りの方が多いこと、

人口が減っていることから、早い段階でもぬけの殻になってしまうかもしれない。

そのお話が一番心に残っております。

実際に住宅を建てるのは可能ではあるが、その維持費等の費用はどうすればよいのか。

震災は収まってはきたものの、

二次的な問題が表面化する被災地に対し、私たちは何が出来るのか。

ボランティア活動での支援なのか、金銭面での支援なのか、

各々が出来る支援の形を考え継続して支援を行なわなければならないと感じました。

 

【全体を通して】

志津川 戸倉の高台から見た風景は今なお私の目に焼きついております。

そこに町があったのかどうかさえわからないほどに全てを奪い去る、津波の恐ろしさを肌で感じました。

猪又さんが仰って下さったように、

東京でも大地震は十分に起こりえるものであり、

自身が家や職を失うことも十分に有り得るかと思います。

今回の復興支援研修は、どこか遠くに感じていた震災に対し、

いざ起こった時の為に何をするべきなのか考える機会となりました。

それと同時に、

当たり前のように過ごしている日常に対し、感謝の気持ちを持つきっかけにもなりました。

最愛の人、大切な自宅を奪われたとしても、腐ることなく前を向いている被災地の方々の姿を頭に留め、

私自身も日々仕事に向かう姿勢を見直していきたいと思います。

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秋葉洋大様、ならびに川崎汽船株式会社の皆様に心より感謝申し上げます。

有難うございました。